手段は独学! 目標(だけ)は一発(ストレート)合格!
    行政書士 資格試験体験記
行政書士試験 1年目(2020年)


1.テキストと勉強方法

 さて、試験の概要はわかったので次はテキスト選びです。毎回言いますが独学での資格試験勉強で、最も重要になるのはテキスト選びです。いつも通り各種サイトや楽天ブックスの口コミ等を見て熟考した結果、「うかる!行政書士総合テキスト(2019年度版)」を買うことにしました。


*注意:書籍画像は全て楽天アフィリエイトです。クリックして購入してもらえると私に1%の楽天ポイントが入ります。・・が、実際に本屋で実物を見てから購入することをお勧めします。また、画像は編集した時点での最新版です。購入前に最新版をチェックしてください。

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楽天アフィリエイトをはっておいて恐縮ですが、ブックオフオンラインで買いました。注目すべきは2020年に受験予定なのにケチって2019年度版を買っているというところです。先に言っておきます。これはマネしてはいけません。 あとでえらいことになります。ただこの時の私は正直、行政書士試験を舐めていました。「定価3,300円の本が1,600円で買えてラッキー♪」程度にしか思っていませんでした。後に痛い目を見ることになるとも知らずに・・・

 とりあえず最初からテキストを読み進めていきます。セクションは大きく分けて「憲法」「民法」「行政法」「商法」「一般知識」に分かれます。民法と商法は中小企業診断士の試験で勉強したことがあるので、多少はいけるかなと期待していました。ところが実際はそうはいきません。以前学んだことはほぼ忘れているのに加えて、勉強する内容の深さが全く違います。 やはり法律専門の試験、細かいことまで問われる上、過去の判例の知識も必要となってきます。結局ほぼすべて最初から覚えなおしでした。

 そして今回も中小企業診断士、社労士の時と同様、エクセルで一覧表を作りながら記憶しました。表の一列目には単語、2列目にはその内容、3列目には記載されているページを書いたものを、テキストを読み進めながら作りました。(3列目のページについてはあまり使わなかった) 例えば次のような感じです。

行政立法 行政機関が法規範(ルール)を作る 。委任範囲超えた部分は無効。 25
 1.法規命令 国民の権利義務に直接かかわるもの。建設基準法施行規則(国土交通省令)など   
   委任命令 新たな実体的なルール 法律によって個別的かつ具体的な委任必要
   執行命令 必要な手続きについて 法律による個別的かつ具体的な委任不要   
 2.行政規則 行政機関内部でのルール。法律の根拠不要 所得税基本通達など 26

2列目の内容には、自分で分かりやすいように内容を簡略化して、自分の言葉を使って書きました。この方法は、単語の意味の理解を深めるには効果的だったと思います。私は基本的に一度エクセルにまとめてしまえば、それ以降はほとんどテキストは使用しません。過去問などを説いて知らなかったことが増えるたびにエクセルに追記していくスタイルにしています。ただ社労士の試験の時もそうでしたが、この方法だけでは試験勉強としては不十分です。法律の試験は条文を正確に覚えていることが求められる場合があるためです。

 2020年1月 一通りテキストの勉強をしたので過去問で実力を測ってみます。またしてもブックオフで「行政書士過去問マスターDX(2019年版) 」を購入しました。


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 前回の社労士試験で学んだことは、「問題集は一問一答方式ではなく五肢択一方式で勉強するべき」ということです。前にも書きましたが、一問ずつ正誤を答える行為と、5択で正解を一つ選ぶ行為は似て異なります。実際の試験で求められるのは後者であり、前者に慣れすぎると本番の試験に対応できないということ社労士の試験を受けたときに身をもって知ったため、初めからその経験を活かしていきます。

 過去問を解いてみましたが、思っていた通り正答率は低いです。同じ法律関係の資格でも社会保険労務士の試験にはあまりなかった「判例」の問題が多く出題されています。また「一般知識等」では一見行政書士業務とは無関係のように思える常識問題、例えば本の作者や中学高校で習う歴史、環境問題、インターネット技術まで幅広く出題されています。  購入した本に記載されている5年分の過去問を解いてみましたがこれだけでは到底足りなそうなので、インターネット上に無料で公開されてる数十年分の過去問を解きました。

2.令和2年(2020年)、試験本番

 2020年11月8日(日)、試験当日。とりあえず今日まで知識の詰込みと過去問の反復をしました。
 
 試験会場はポートメッセ名古屋。従来であればどこかしらの大学が試験会場らしいのですが、今年はコロナ禍ということもあり密を避けるため広い会場となりました。
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 午後1時、試験開始。まずは選択式問題から。過去問を何度も解きある程度の自信はもっていましたが、なかなかすんなりとは答えられません。何年分か過去問をやってみて、年によって試験の難易度に差があるなとは思っていましたが、どうやら今年は難しい年なのかなと開始早々に感じました。
 苦しみながら選択式の問題を一通り終わらせたところで、記述式の問題に取り掛かります。

問44 取消訴訟の出訴期間がすでに過ぎてしまっている土地換地処分に関する争いは、誰に対してどのような訴訟を提起するか。

 取消訴訟の出訴期間を過ぎているためおそらく出訴期間の制限がない「無効等確認訴訟」だろうということはわかります。問題は誰を被告とするか。私の中で形式的当事者訴訟の土地収用の被告は起業者という記憶があったため、県を被告としました。

問45 第三者による詐欺で契約を取消できる時の条件

 これはテキストで勉強した覚えがあります。確信をもって「契約の相手方が詐欺の事実について知っている場合」と書きました。

問46 背信的悪意者からの転得者に関する問題

 「背信的悪意者」に関しては勉強して当然知っています。ただこの問題で問われている意味がさっぱり分かりません。何度も問題を読み返して考えてみましたが全くそれらしい答えが思いつかないため、マスだけを適当に文字で埋めておきました。

 そして長いと思っていた3時間があっという間に終了。まったくできなかったというほどではありませんが、しっかりとした手ごたえは感じられません。モヤモヤした気持ちのまま帰宅しました。



3.試験結果

 さて、試験当日の夜は恒例の自己採点です。正式な試験結果の発表は翌年1月です。

 私の自己採点の結果は次の通りでした。

選択式:
「法令等」 五肢択一(4点 x 40問)・・・92/160点(57.5%)
「法令等」 多肢選択(2点 x 12問)・・・18/24点(75.0%)

「法令等」の選択式の合計点数は110/184点(59.78%)で合格ラインを割っています。難しいとは思っていましたが案の定といった感じです。特に憲法・民法が点数を取れていません。さらに試験中に焦っていたせいか「妥当なものはどれか」と「妥当ではないものはどれか」を間違えて答えるなど不注意による失点も数問ありました。

「一般知識等」 五肢択一(4点 x 14問)・・・44/56点(78.6%)

「一般知識等」は範囲が広く勉強しにくいところですが、思っていた以上に点数が取れていました。

記述式問題を除いた合計点は154/240点(64.17%)。正直試験を受ける前は、もっと点数が取れると思っていましたが微妙な点数になってしまいました。合否は記述式の点数次第です。

記述式 問44  無効等確認訴訟は合っていましたが、被告は県ではなく土地区画整理組合でした。自分の知識の中に組合が被告になるパターンがあるというのは全くありませんでした。

記述式 問45  私は、第三者による詐欺で契約が取り消せる場合は「契約の相手方が詐欺の事実について知っている場合」と書きましたが、模範解答は「「相手方が詐欺の事実について知り、又は知ることができたとき」となっています。

・・・え?

確かに私の持っているテキストには「相手方が詐欺の事実について知っている場合」となっています。ここでテキスト代をケチって前年のものを利用したことが裏目に出ました。実は民法は2020年から大幅に改正されています。今回の試験は改正後初となる試験でした。私も事前にそのことは知っていましたが、「まあ直前に改正されたところだけチェックしとけば大丈夫でしょ」くらいにしか思っていませんでした。しかし実際には改正点は想像以上に多く、すべてを網羅することができずに漏れたのがこの第三者による詐欺についてでした。これは明らかな失態です・・・。

 そして問46は思っていた通りまったくかすってもいませんでした。試験合格には記述式で26点が必要ですがこれは厳しい・・・。部分点がもらえている可能性はありますが期待は薄そうです。

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年をまたいで2021年1月、試験結果の通知が郵送で届きました。300点満点中、6割の180点で合格ですが結果は

172/300点

・・・ちゃんと最初から新しいテキストで勉強していれば受かっていた点数です。悔やんでも悔やみきれない結果となってしまいました。
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