手段は独学! 目標(だけ)は一発(ストレート)合格!!
    行政書士 資格試験体験記
行政書士試験 2年目(2021年)


1.反省


 試験の不合格確定から約1カ月。未だにショックは受けていますが、合格が全く手の届かないところにあるわけではないということが分かりました。前回古いテキストを使って失敗した経験から、今回はちゃんと最新版のテキストを購入することにしました。メルカリで「出る順行政書士 合格基本書 2021年版」を買いました。

*注意:書籍画像は全て楽天アフィリエイトです。クリックして購入してもらえると私に1%の楽天ポイントが入ります。・・が、実際に本屋で実物を見てから購入することをお勧めします。また、画像は編集した時点での最新版です。購入前に最新版をチェックしてください。




(毎年試験年1月ごろ最新版が発売されます)

 社労士試験の時に学んだことがあります。それは、

「2年目は同じテキストの最新版ではなく他社のテキストを使うべき」


テキストは出版社によって書いてある内容が異なります。また同じ内容でも解説の仕方が違う場合があります。より理解を深めるためには、違う角度から学習する方が効果があると私は思っています。
 実際に新しいテキストを読んでみると、前回使用したテキストには記載されていなかったことがたくさんあり(当然、前回のテキストには記載されているが新しいテキストには記載されていないこともある)、また自分では理解していたつもりのことが誤って解釈していたというようなこともたくさんありました。


*****
余談ですが、私が最初に使用したテキストの編者「伊藤塾」と2年目に使用したテキストの編者「東京リーガルマインド」はかつて訴訟にまでなった犬猿の仲だということを試験が終わってから知りました(外部リンク:東京リーガルマインド事件)。まあ私には関係のないことですが。
*****

 そしてもう一つの改善点として、前回は漫然と試験を受けましたが、今回は目標を定めました。記述式問題は採点基準が明確ではなく得点が不安定であるため、記述式問題抜きで合格点(180点)を取ることを目指すことにしました。そのためには選択式問題だけで75%正答しなければいけません。


 二年目の勉強を進めていくうちに感じたことが一つあります。それは

「以前に覚えた知識を上書きするのは楽ではない」

ということです。私は2020年の民法改正前のテキストで勉強を始めましたが、その知識が身についてしまっているため、改正後の知識に入れ替えるのにかなり苦労しました。法律はほぼ毎年何かしらの改正がされています。普通の試験であれば何年も受験していれば次第に知識も増えて合格に近づいていくかと思いますが、ことこの試験に関しては以前の知識が邪魔をして新しい知識が身につかないということが起き得ると感じました。本気で合格を目指すなら、なるべく少ない年数で合格できるようにしなければいけないと思いました。


2.令和3年(2021年)、試験本番

 2021年11月14日(日)。今年は中部国際空港の近くにある愛知国際展示場が試験会場です。中小企業診断士・社会保険労務士の試験を受けていたころと同じようにハイチューを食べて糖分補給をしながら会場に向かいます。ゲン担ぎをしたくなるほど試験に対する緊張を感じているのかもしれません。

--------------------------------

 午後1時、試験開始。まずは選択式問題から。昨年に比べて問題が易しくなったように感じます。本当に問題が易しくなったのか、それともこの1年の勉強で自分が成長したのかはわかりませんが、途中までは「こんなに簡単でいいの?」と思えるくらいスムーズに解答できました。ただ後半には難しい問題も多くなり、やはり一筋縄ではいかないなと感じました。
 選択式問題を一通り終わらせ、次に記述式問題に取り掛かります。こちらも昨年と比較したら解答はしやすい問題のように思われます。昨年の問46のようにまったく何を書いていいのかわからないというようなことはありませんでした。

 注目すべきは問45、「譲渡制限特約が付いた債権が第三者に譲渡された場合、債務者が第三者に対抗できるのはどのような場合か」という問題。2020年の民法改正前は、譲渡禁止特約付き債権の第三者への譲渡は「原則無効」で「第三者が譲渡禁止特約について善意かつ無過失」の場合は有効でしたが、改正後は「原則有効」で「第三者が譲渡制限特約について知っている(悪意)または知らないことに重過失がある」場合には無効(対抗できる)になりました。昨年の試験では民法改正前の古いテキストを使い失敗しているので、同じ轍を踏まないようしっかり対策はしていました。


 時間をそこそこ残して全問解答し終わりました。昨年は選択式問題で「妥当なものはどれか」と「妥当ではないものはどれか」を間違えるミスを犯しているため、今年は慎重に見直しを行います。


3.2年目の結果・・・

 試験当日の夜のお楽しみ、今年も自己採点を行います。300点満点で6割、つまり180点あれば合格です。300点の内、60点は記述式の問題であり、私の目標は記述式問題を除いた240点の内180点獲得です。

選択式:
「法令等」 五肢択一(4点 x 40問)・・・116/160点(72.5%) 前年+24点
「法令等」 多肢選択(2点 x 12問)・・・18/24点(75.0%) 前年+0点

「一般知識等」 五肢択一(4点 x 14問)・・・44/56点(78.6%) 前年+0点


 記述式問題を除いた合計点は178/240点(74.17%)でした。目標としていた記述式問題抜きで180点にはわずかに届きませんでしたが合格には十分な得点でしょう。ただ改めて冷静に問題を解いてみると、間違える必要がないところで間違えている問題もいくつかありました。
 ともあれ記述式問題の得点は正確にはわかりませんが、おそらく少なく見積もっても20点くらいはあるかと思うので今年は安心して年を越せそうです。

------------------------------------- 
 2022年1月26日、インターネットで合格発表がされました。結果は・・・










合格していました。


そして数日後、合格通知のハガキが自宅に届きました。最終的な得点は204点/300点満点でほぼ自己採点通りでした。私が試験を受けた手ごたえとしては平年に比べて簡単だったように思っていましたが、合格率は11.8%であり、あまり平年との差はありませんでした。

合格証


---------------------------------
 試験に合格はしましたが、今回も社労士の時と同じく行政書士登録する予定はありません。始めからそのつもりがないためあまりしっかりとは調べてはいませんが、行政書士を名乗るためには都道府県の行政書士会への入会が必要であり、入会金は20万円~25万円ほど、年会費は7~8万円ほどとなります。(都道府県によって異なる) またそれ以外にも登録手数料や登録免許税などが必要であり、なんだかんかで30万円ほどは必要となります。

*****
 余談ですが、社会保険労務士は入会金5~10万円、年会費約9万円なので(開業会員で事務指定講習を受けない場合・勤務会員はもう少し安い・登録手数料・登録免許税は必要)、行政書士はずいぶん高額に感じます。また中小企業診断士に至っては協会への入会が任意であり毎年6,300円の理論政策更新研修を受講すればいいだけなので改めて考えるとかなりお得です。(ただし登録時の実務補修・5年ごとに実務従事要件の証明は必要)
*****

今のところ独立開業する予定もないサラリーマンの私にとっては、これだけ出費してまで登録するメリットはあまり感じられません。今回もただの「試験に合格した人」のままということになります。




4.清算

 それでは、行政書士合格まで2年間でいくら使ったか清算しておきたいと思います。
1年目 (価格は当時のもの)
古本:うかる!行政書士総合テキスト(2019年度版)」 ¥1,900
古本: 行政書士過去問マスターDX(2019年版) ¥ 1,600
受験料 ¥ 7,000
総合計 ¥ 10,500

2年目  (価格は当時のもの)
古本:出る順行政書士 合格基本書 2021年版 ¥ 2,410
受験料 ¥ 7,000
総合計 ¥ 9,410

 2年間の総合計は¥ 19,910、テキスト代だけのの合計は¥ 5,910でした。例のごとく資格学校への通学・通信講座・模試等は一切受講していません。中小企業診断士・社会保険労務士などに比べればかなりお値打ちに合格できる試験だと思います。ただ私は1年目にポカをやらかしているため、もっと効率よく合格することができる方もいることでしょう。

 一つだけ注意していただきたいのが、前から言っていることですが、私は資格を取得するために学校に通ったり通信教育を受講することを否定しているわけではありません。おそらく最短で合格する方法は、資格の学校に通い試験のプロに教わることだと思います。ただ、経済的事情や立地の問題で学校に通うことができないという人も多くいるかと思います。また、資格取得の目的が独立開業ではなく単なる自己啓発のためであり、多くの出費をする価値が見いだせないという人もいるかもしれません。どのような方法で合格しても得られる資格は同じです。当サイトでは、資格取得を目指したいけれども様々な理由で迷っている方に対して、一つの手段として「独学」という方法もあるということを伝えられたらと思っています。
行政書士 資格試験体験記 トップへ