手段は独学! 目標は一発(ストレート)合格!! 中小企業診断士 資格試験体験記 |
中小企業診断士 実務補習(1回目) 1.実務補習申込み さて、晴れて中小企業診断士の試験に合格したわけですが、のんびりしてはいられません。合格発表は1月6日ですが、実務補習の申込みはすでに昨年の12月24日から始まっており、1月13日までに申込みをしなければなりません。郵便局で受講手数料を払い込む必要があるため、平日勤務しているサラリーマンは実質9日(土)、10日(日)のどちらかで申込みを済ませる必要があります。私は9日も仕事だったため、10日に申込みを済ませました。まったく時間の余裕がなさすぎ・・・。 申し込んだコースは2月4日(木)・5日(金)・13日(土)・14日(日)・15日(月)の「名古屋地区・5日間コース」。15日間コースは2月4日から3月15日の1ヶ月超えなので、普通に会社勤めをしている人には無理でしょう。しかし5日間コースで手数料50,000円は痛い出費です。ちなみにこの実務補習、5日間のうち1日でも休んだら修了を認められません。つまり5万円がパーです(15日間コースは分かりません)。私は念のため新型・季節性両方のインフルエンザ予防接種を受けておきました。 2.実務補習を知る 申込みが終わると、1月下旬頃に中小企業診断協会からテキスト等の資料が送られてくるようです。それまでしばらく時間に余裕があるため、実務補習がどのようなものか調べてみます。するとTACのホームページ上で、実務補習のセミナーが無料で公開されているのを見つけました。無料のものはどんどん利用します。 1時間ほどの動画でしたが、なかなか参考になりました。ポイントとしては、 ・5~6人のチームで行うため、チームワークが重要らしい。(揉めるチームもあるらしい・・・) ・ノートパソコンが必要。ワードの得意な人がいると重宝するらしい。 ・リーダーを決めるらしい。 ・それぞれ担当を割り当てて診断するらしい。 ・1人当り15ページほどの診断報告書を書くらしい。 ・社長へのインタビューや店舗視察に使う時間は、指導員によってばらつきがあるらしい。 ・プロジェクターやパワーポイントを利用するかどうかも、指導員によって違うらしい。 ・結構時間ぎりぎりで診断報告書を提出するパターンが多いらしい。 といったようなことでした。(動画を見てから時間が経ったので忘れました) 印象としては、結構大変そうだと感じました。しかしそれ以上に1時間以上ノンストップで喋りつづける中小企業診断士の講師の先生に衝撃を受けました。中小企業診断士は喋りが立つことが必要条件か? 1月下旬、予定通り中小企業診断協会から資料が送られてきました。だんだん緊張が高まってきました。さらに翌日、ついに実務補習の指導員の先生からメールが届きました。そして同時に今回の診断先も知らされました。実務補習には守秘義務があるため、具体的な診断先はここでは書けませんが、製造小売業でした。 メールには同じ班で共に診断する実務補習生のメールアドレスも書かれていたので、同報メールで自己紹介がてら希望する担当分野を伝えます。 同じ班の方々の自己紹介を一通り見ましたが、皆さん誰でも一度は耳にしたことがある名だたる企業に勤めている人ばかり、ガチで中小企業なのは自分だけでした。しかし心強い面子です。 3.実務補習開始 1日目(4日・木) ついにこの日が来ました。いよいよ今日から実務補習がスタートします。朝10時、名古屋市内の某ビルの会議室に集合。9時半頃に会場に着くと、すでに多くの受講生が来ています。受付を済ませ、自分の班のテーブルを探します。すでに指導員の先生と別の受講生が席に着いていました。軽く挨拶をし、談笑をしていると他の受講生も到着しメンバーが揃いました。10時になり、診断協会の人の挨拶、実務補習の説明等を聞きます。そしてそこからは各班ごとに実務補習開始。まずはグループ内で名刺交換をします。まあすばらしい肩書きの人ばかり。自分の名刺がショボく見えます。そして次に自己紹介でお互いのことを知ります。全員バラバラの業種でした。年齢層としては50代1人、40代2人、30代2人。この5人のチームで、1つの企業を診断します。 さて、いよいよ活動開始。今回の診断先は指導員の先生のクライアントであり、2つほど支店を持っている製造小売業ということなので、支店の視察に行きます。まず電車に乗り1店舗目に移動。店内の様子、立地環境、ライバル店などを調査します。一通り見終えて2店舗目に移動。こちらでも店内や環境の視察を行います。そして従業員へのインタビュー。実際に働いている人の話を聞けるのは、非常に興味深くとても勉強になりました。 初日の活動は以上。緊張していたせいもあり非常に疲れました。 2日目(5日・金) 朝9時半にグループで集合。今日は本社で社長へのインタビューを行います。この社長へのインタビューは実務補習前半のメインイベントです。インタビューで聞き出したことを元にして診断報告書を書かなければならないため、質問したい事を事前にまとめておくなどの準備をし、聞き逃しがないように注意が必要です。 社長に仕事の手を止めて事務所まで来てもらい、インタビュー開始。実務補習生が各々担当する分野についての質問をしていきます。質問内容は、経営、営業、財務、人事、情報等多岐に渡りますが、社長には分かりやすく丁寧に答えてもらえました。従業員数20名ほどの決して大きくはない会社ですが、社長は色々な事に気を配りながら経営をしているのだなと感心させられました。 午後からは、初日に集合した会議室に戻り、診断の方向性をグループで話し合います。次にグループで顔を合わせるのは1週間先であり、その間に各自が担当する診断報告書を書かなければなりません。方向性のズレは診断報告書のズレを意味するため、この擦り合わせは重要です。 自主学習(6日・土~12・金) 1日目・2日目の実地調査やインタビューで得た情報を元に、診断報告書を書き始めます。ただ仕事を抱えながら15ページ近い文章を書くのは結構重労働です。私はめずらしく出張などの予定があったため、ほとんど土日の内に報告書を書き上げました。そして指導員の先生と班のメンバーにメールで送信。指導員の先生のアドバイスを元に修正して再送信。このようなやり取りを数回行いました。(tacの動画で言っていたようなメールが乱れ飛ぶようなことはなかった。自分のグループでは) 3日目(13日・土) 初日に顔合わせをした会議室に集合。今日は各々が書き上げた診断報告書の説明等を行います。そして、他のメンバーの意見を聞いて修正等をします。自分では書いている時に気付かない矛盾点も、人から指摘されるとよく分かります。やっと診断報告書の全体像が見えてきました。 ちなみに、グループ内で揉め事が起きるのはこの日が最も多いでしょう。私のグループは大丈夫でしたが、他では結構喧喧諤諤とやっているところもありました。 4日目(14日・日) 本日も昨日と同じ場所に集合。今日はいよいよ診断報告書を完成させます。メンバーの診断報告書を1つに連結します。この作業はリーダーが1人で行います。他のメンバーは「診断重点項目総括表」や「診断調査表」などを完成させます。 夕方、出来上がった診断報告書のデータをUSBメモリー入れ、キンコーズへ向かいます。そして報告書の印刷、コピーを行い、製本を依頼して帰宅。 5日目(15日・月) 長かった実務補習も今日が最終日。午前中は製本された診断報告書を使い、社長への報告のリハーサルを行います。報告時間を2時間として、1人当り20分程度話すことになるわけですが、はっきり言って時間が足りません。1人15ページも報告書を書いてしまうと、かなり駆け足で報告しなければならなくなるため、次回の実務補習からはもう少し報告書を書く量を減らそうかと思います。 午後からは再び本社を訪れ、ついに実務補習の集大成、社長への報告を行います。各担当者が順番に社長へ現状診断結果・改善提案を行っていきます。報告が一通り終わり、社長の感想としては「なるほどと思ったこともあったし、ん?と思ったこともあった」とのことでした。やはりたった2日の実地調査・インタビューで社長が感心するような提案をすることは難しいです。しかし、大した見返りもないのに駆け出しの中小企業診断士のために貴重な時間を割いてくれた社長が、1つでも「やってみようかな」と思えるようなことがあったのならば、実務補習は成功だと思います。 社長への報告の後、中小企業診断協会に診断報告書の提出を行い、実務補習修了証書をもらいます。これで実務補習5日間コースは終了。その後は、班のメンバー、指導員の先生と一緒に飲み会へ。5日間ともに苦労した仲間と飲むビールは、あまりお酒が飲めない自分でもとてもおいしく感じました。 4.実務補習を終えて 5日間の実務補習を終えての感想としては、「受けてよかった」と思えました。中小企業診断士として登録するには、15日間実務補習を受講する以外に、実際に15日間実務に従事する方法もあります。私も自分の務めている会社を診断したことにすれば15万円の出費をせずに、中小企業診断士として登録されることも可能かもしれません。しかし、他の会社の社長や従業員の話、指導員の先生のアドバイスや経験談、異業種の実務補習生とのふれあいなど、実務補習を受けなければできない貴重な体験も多くできました。これだけでも5万円の出費はそれほど高くないと思えました。 私が中小企業診断士を名乗れるまで、まだあと2回、実務補習が残っています。次回は7月。その時も今回同様、充実した実務補習にしたいと思います。 |
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