FIAT500で岐阜街道~郡上街道を行く
(画像はマウスオーバー又はタップで拡大できます)
名古屋から清州、稲沢、一宮を経由し岐阜の城下町に向かう道は「岐阜街道」と呼ばれていました。今回はこの岐阜街道を走ります。さらに岐阜の中心地からは「郡上街道」と呼ばれる道を走ります。ゴールは郡上市の郡上八幡城です。
今回の旅のスタートは稲沢市にある長光寺です。「六角堂」と呼ばれる特徴的な建物は中国風の室町建築です。織田信長は清洲城を居城とした際にはこの寺によく遊びに来ていたと伝えられています。
長光寺から「美濃路」を北に進みます。名古屋からここまでのルートは美濃路との重複区間であるため省略しています。四ツ家追分で岐阜街道は美濃路と分岐します。愛知県内の岐阜街道は県道190号を行ったり来たりしながら北上します。赤池一里塚跡を過ぎ、名神高速道路の手前で一宮市に入ります。
時折喪失している道を迂回しながら北上していきます。一宮一里塚跡を過ぎると一宮市の中心地に入っていきます。JR尾張一宮駅と名鉄一宮駅の近くにある本町商店街は朝11時から夜8時までは歩行者専用道ですが、まだ時間が早いため車で通行できます。アーケードの商店街を抜けると正面に「真清田神社」があるため立ち寄ります。真清田神社は尾張国一宮であり一宮の街はこの神社の鳥居前町(門前町)として発展しました。創建は神武33年(約2,600年以上前)と言われていますが、第二次世界大戦の空襲によりほぼ全焼したため、建物は戦後に再建されたものです。
真清田神社の前の岐阜街道は逆向き(北→南)の一方通行のため逆から撮影します。本来のルートに戻り県道190号を北上していきます。今伊勢町馬寄で県道を外れ、かつて木曽川町であったエリアに入っていきます。旧黒田村であった辺りはかつては鎌倉街道の宿場であり、今でも古い町並みが残っています。県道181号に合流してからは西に進みJR東海道本線と名鉄名古屋本線の線路を渡ります。再び県道190号に合流し北方で県道を東に外れます。ここから本来のルートは「宝江の渡し」で木曽川を渡っていました。
木曽川橋で木曽川を渡り岐阜県羽島郡笠松町に入ります。旧国名も尾張から美濃となります。笠松の集落に入り「笠松町歴史未来館」に立ち寄ります。施設内には、岐阜街道が「鮎鮨街道」や「御鮨街道」と呼ばれた所以などの展示がされており、無料で見学することができます。また近くには「杉山邸」があり、かつてこの地で醸造業を営み有力者であった杉山家の当時の生活様式が再現されています。こちらも無料で見学することができます。
笠松の集落を北上して行き、境川の手前で岐阜市に入ります。国道21号岐大バイパスを越え、名鉄茶所駅の近くで「中山道」と合流し、中山道の宿場町であった加納宿を走ります。加納から旧上加納村までは逆向き(北→南)の一方通行があるため、逆から撮影します。この辺りはすでに岐阜城の城下町でありゴールは目前ですがJR岐阜駅に立ち寄ります。JR岐阜駅前には岐阜のシンボルである「黄金の信長公像」があります。また近くにある「岐阜シティ・タワー43」の展望室は無料で入場でき、岐阜の城下町を見渡すことができます。また少し足を伸ばして「金神社」にも立ち寄ります。
本来のルートに戻り、「金園町2」からは「郡上街道」を走ります。まずは東に進み、北一色、野一色を通ります。途中からは道が国道156号となり、ゴールの郡上までこの道に沿って走ることになります。旧岩田村を過ぎ・旧芥見村の大退で本来のルートは津保川の対岸に渡ります。関市に入り橋で川を渡り、上白金で国道156号に戻ります。ここからしばらくは国道を北上していきます。
「関刃物ミュージアム」の前を通り過ぎ、東海北陸自動車道と東海環状自動車道の下をくぐります。美濃市に入り、再び東海北陸自動車道の下をくぐり、松森交差点で国道を外れ上有知の集落に入って行きます。「美濃町重要伝統的建造物群保存地区」に入り、車を停めて散策します。「旧今井家住宅・美濃史料館」は紙商で庄屋でもあった今井家の町屋を利用した施設です。「美濃和紙あかりアート館」はこの地の伝統工芸である「美濃和紙」をライトアップして展示しています。
郡上街道に戻り国道156号を走ります。途中、「道の駅美濃にわか茶屋」でランチに「子持鮎甘露煮定食」を食べます。郡上街道に戻り曽代の集落を北上します。長良川にぶつかり、本来のルートはここから「曽代の渡し」で長良川を渡ります。立花橋で長良川の右岸に渡り、立花の集落を走ります。途中からは車が侵入できなくなるので徒歩で撮影します。 車に戻り国道から須原(洲原)の集落に入ります。再び国道に戻りますが洲原神社を過ぎたらまた国道を外れます。洲原隧道を通り、国道に戻り郡上市に入ります。旧美並村木野の辺りは旧街道は一部喪失しています。半在でまた国道を外れ本来のルートは長良川沿いとなりますが、現在は通行止めとなっているため国道に戻ります。
根村を通り過ぎ、本来のルートは「下田の渡し」で長良川の左岸に渡ります。福野・苅安の集落を走り、東海北陸自動車道美並I.C.の近くで「日本まん真ん中センター」に寄り道をします。かつてはここ旧美並村に4回連続(1980年~1999年)日本の人口重心があったため、美並村は「日本の真ん中」を謳っていましたが、現在は人口重心は関市に移っています。
郡上街道に戻り国道156号を走ります。郡上八幡駅南交差点で国道を外れ郡上市の中心地に入っていきます。新町通を走り宮ヶ瀬橋を渡って伝統的建造物群保存地区に入ります。ゴールの郡上八幡城は山頂にありますが道が整備されており車で行くことができます。
郡上八幡城は元々はこの地に遠藤盛数が築いた砦が起源であるとされています。豊臣秀吉の時代に城主となった稲葉貞通によって現在の郡上八幡城の基礎となる城郭が築かれました。天守は昭和8年に大垣城を参考に復元されたもので、木造の模擬天守としては日本最古のものです。