FIAT500で東海道を行く(桑名宿~鈴鹿峠)
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以前、静岡県の新居宿から名古屋の宮宿(熱田宿)まで「東海道」を、そして三重県の桑名宿まで「新東海道」を走りました。今回は桑名宿から三重県と滋賀県の県境である鈴鹿峠まで東海道を走ってみたいと思います。 今回の旅のオープニングは桑名市にある「桑名総社」です。「桑名神社」と「中臣神社」の二つの神社が一緒に祀られている桑名の総鎮守社です。この神社で8月に行われる「石取祭り」は午前0時に太鼓などを一斉に打ち鳴らすため「日本一やかましい祭り」とも言われています。
桑名総社から少し北に戻り、宮宿と桑名宿を海路で結んだ「七里の渡し」跡からドライブをスタートします。まずは桑名宿を南下した後、京町交差点まで西に進み、県道613号の一本西の道をまた南に進みます。桑名宿は桑名城の城下町でもあるため、道がかぎ状に曲がる「曲尺手」となっている箇所がいくつかあります。萱町交差点辺りは一部旧街道が喪失しているため迂回し、日進小学校南交差点からは西に進みます。矢田町交差点で国道1号線を越え「矢田の立場」があった所からは南西に進みます。 安永で員弁川を渡り三重郡朝日町に入ります。柿の集落の南、国道1号北勢バイパスと伊勢湾岸自動車道の手前には「柿の常夜灯があります。
朝明川を渡り四日市市に入ります。冨田の集落ではまた何度か道が曲尺手となります。八田には東海道の松並木の松が一本だけぽつんと残っています。三重県内に残っている東海道の松並木の松はこの木と、日永にある松の2本のみです。羽津で国道1号に合流し、海蔵川の手前で国道を外れます。海蔵川を渡り、江戸から数えて東海道の43番目の宿場町である四日市宿に入ります。三滝川を渡り、四日市宿の本陣があった所を過ぎ、再び国道1号に戻ります。ここから旧街道は商店街の中を通っているため徒歩で撮影します。
諏訪神社の手前から「表参道スワマエ商店街」と「表参道スワ栄商店街」に入ります。商店街の中には四日市の祭りで登場する「大入道」を少し小さくした「中入道」がいます。
車に戻り濱田の集落を南西に進みます。「四日市あすなろう鉄道・内部線」に沿って、日永、泊の集落を通過し再び国道1号に合流します。追分交差点で東海道は伊勢神宮方面に向かう「伊勢街道」と分岐します。ここには伊勢神宮へ参拝へ行けない旅人のための伊勢神宮遥拝所があります。あすなろう鉄道の線路を越え、小古曽の集落に入ります。内部川を渡り、采女に入ると「杖衝坂」と呼ばれる急な上り坂があります。言い伝えでは、日本武尊が東征の帰りに剣を杖にして上ったことがその名前の由来だそうです。
采女一里塚跡の前を通り過ぎ、国道1号と国道25号の重複区間に出ます。国分町交差点で一時的に国道を外れ鈴鹿市に入ります。浪瀬川手前でまた国道に戻り、ここから江戸から数えて44番目の東海道の宿場町である石薬師宿に入ります。旧街道沿いには佐佐木信綱記念館や石薬師文庫などの施設があります。国道の上を渡り、石薬師寺に立ち寄ります。石薬師寺の創建は1,200年以上前だと言われています。一度は織田信長軍によって焼失しましたが、その後復興され歌川広重の東海道五十三次にも描かれています。
JR関西本線を越えて再び国道に戻り、庄野北交差点で国道から外れます。ここから江戸から数えて45番目の東海道の宿場町である庄野宿に入ります。石薬師宿と庄野宿の間隔は東海道の中では御油~赤坂宿間に次いで2番目の短さです。庄野宿には油問屋を営んでいた旧小林家の建物を利用した庄野宿資料館などがあります。
庄野宿を過ぎ、国道の下をくぐって汲川原の集落に入ります。安楽川を渡り、和泉から小田の集落を走ります。途中、JR関西本線の線路で旧街道は一部喪失しています。
線路を迂回し亀山市に入ります。井田川、川合、和田の旧街道は国道1号(25号)を一本外れた道となります。栄町交差点で本来のルートを外れ「カメヤマローソクタウンストア」に立ち寄ります。店舗の内装は有名デザイナーが手掛けており、まるでブティックのような華やかな展示となっています。
本来のルートに戻り江戸から数えて46番目の東海道の宿場町である亀山宿に入っていきます。亀山宿は亀山城の城下町でもあり、道は複雑に右左折する曲尺手となっています。しばらく西に進むと「野村一里塚」があります。三重県内では唯一原形を留めている一里塚です。
亀山宿を抜け「太岡寺畷」と呼ばれる鈴鹿川沿いの直線道路を走ります。名阪国道と東名阪自動車道の下をくぐりJRの線路を渡り国道に戻ります。国道を少し西に走ると右が江戸から数えて47番目の東海道の宿場町である関宿の入口となります。観光駐車場に車を停めて徒歩で街を散策します。関の街並みは国の重要伝統的建造物群保存地区に指定されているため、昔の町並みがよく残っています。「関宿旅籠玉屋歴史資料館」や「関まちなみ資料館」など昔の建物の内部を再現した展示も見どころです。
車に戻り関宿の西側を走り国道に出ます。関宿西交差点から国道25号は「大和街道」となり奈良方面に向かうため、国道1号の単独区間を走ります。市瀬、沓掛の集落を通り、江戸から数えて48番目の東海道の宿場町である坂下宿に入ります。本来の坂下宿はもっと西にありましたが、1650年の洪水によって壊滅したためこちらに移転されました。
坂下宿の抜け、国道1号の側道を走ります。途中からは車が入れなくなるため徒歩で鈴鹿峠を上ります。
旧街道はこの先にある片山神社の参道も兼ねています。途中、本来の坂下宿があった場所には看板が立っています。片山神社から先は本格的な山道となります。道はつづら折りとなり路面は石畳となります。国道1号鈴鹿峠バイパスの下あたりは旧街道は付け替えられているようでコンクリートの階段となります。再び山道となり、松尾芭蕉の句碑、馬の水飲み場跡などを過ぎ、つづら折りの道を上っていくと鈴鹿峠の頂上に到着します。